オムロン太陽の場を通じた⾃律社会への共創取組【前編】

SINIC理論の実践の地『オムロン太陽』の現場を通して
自律社会の働き方、暮らし方、生き方、そして社会のあり方の解像度を高めていく

2023年8月28日(月)、オムロン太陽株式会社(大分県別府市)において、「自律社会の働き方、暮らし方、生き方、そして社会のあり方」を考えていく共創の場をもちました。

本記事では、今回の共創の場づくりに至った経緯(前編)ならびに当日の様子(後編)についてお届けします。

自律社会の解像度を上げる

「SINIC(サイニック)理論」で予測されている、「自律社会」以降の未来の解像度を上げていく。
それに向けて、2023年1月より”働き方”をテーマに据え『ちょこっとSINICプロジェクト』(以下、本プロジェクト)という活動をスタートさせました。

本プロジェクトでは、「自律社会」が定義する姿、”自分に合った生き方を選び、他者とのつながりの中で心豊かに暮らす社会”を手触り感あるイメージとして描き、広く共有していくことを目指しています。
また、そうした「自律社会」のイメージについて、特に未来を担う次世代(M/Z世代)とともに、自分ごととして深めていくことにもチャレンジをしています。

その具体的な活動としては2つあります。
①「既存の枠組みにとらわれない働き方をしている方」、あるいは、「新しい働き方を可能にする仕組みそのものを作ろうとしている方」をゲストに迎えたインタビューのPodcast配信

②未来体現者とも呼べるインタビューゲストとしてお迎えした方々と一緒に場をもつ、共創型ワークショップの開催

<Podcast配信「ちょこっとSINIC RADIO」の詳細はこちら>

今回、こうした活動を通して「自律社会」の働き方を考えていく中、一つの大きな問題意識ともいえる「問い」が芽生えました。
それは現状の働く場や働く機会が、一人ひとりの個性や人間性を尊重するシチュエーションに本当になり得ているのだろうか?という問いです。

SINIC理論が予測する変遷

「SINIC理論」が指し示す社会変遷に沿ってみていくと、「工業社会(機械化社会・自動化社会、情報化社会)」では、効率性・合理性の重視が進みます。その結果、現在の「最適化社会」においては、それらの行き過ぎともとれる状態が散見されるようになっています。


これは、働く場や機会を提供する企業を引き合いに考えてみると、個人の個性や人間性に向き合った組織運営が喫緊の課題として大きく取り上げられていることにあらわれています。
そのため、一人ひとりが心豊かに暮らす社会という「自律社会」へのシフトにあたって、今ここに一つ、見つめ直すべきポイントを捉えていくことができます。それは他ならない”人間性”を取り戻していくことです。

この問題意識について議論する中で、「一人ひとりが主役 -働く喜びと、生きがいに満ちあふれた職場をめざして・・・」を掲げ、実践する企業であるオムロン太陽、その所在地である別府という地域のリアリティを通して未来を考えていくことが相応しいのではないか。そこから、個人一人ひとりに寄り添う組織、社会の未来というものが見えてくるに違いないという考えに辿り着きました。

そういう意味で、今回の共創活動では、50年前から障がい者雇用に取り組んできているオムロン太陽の場で行うものの、テーマは「一人ひとりの個性を大切にした働き方、また生き方や組織・社会のあり方の未来とは一体どのようなものか」を掲げました。

こうしたテーマに賛同くださった、「ちょこっとSINIC RADIO」のゲスト出演者、あるいは、SINIC理論への強い共感と未来へのアクションに取り組む方などと一緒になり、自律社会の解像度アップへのやり取りを重ねていく濃密な時間をもつことにつながりました。

次回、後編では、実際にオムロン太陽の現場からみえてきた未来への気づきやそのイメージについて、お伝えしていきます。

(後編につづく)